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相続時精算課税制度(原則)の概要



相続時精算課税制度の説明(原則)

平成24年に住宅資金贈与を受ける場合には、贈与税非課税制度をまずは適用して下さい。贈与税非課税制度の非課税枠を使いきってしまった場合に、相続時精算課税制度の適用を考えて下さい。
贈与税非課税制度についてはこちらをご確認下さい。
 
相続時精算課税制度とは、65歳以上の両親から20歳以上への子供への贈与をした際に、贈与時には2‚500万円を超える贈与について一旦贈与税を課税しておいて、その後相続があった時に前払した贈与税を精算する制度をいいます。相続時精算課税制度を選択するには、贈与を受けた年(平成24年)の贈与税の申告期間内(平成25年2月1日から平成25年3月15日)までに「相続時精算課税選択届出書」と贈与税の申告書を、贈与を受けた人の住所地の税務署に提出しなければなりません。なお、一旦相続時精算課税制度を選択してしまうと、それ以後にその者から贈与を受けた資産については、全て贈与税の申告をしなければならなくなりますので、選択をする際には、細心の注意を払う必要があります。

相続時精算課税の原則(限度額:2‚500万円)と特例(限度額:2‚500万円)のどちらを選択するかは、贈与者が65歳未満であれば特例を選択し、65歳以上であれば原則を選択することになります。
なお、平成23年の税制改正で相続時精算課税制度の原則の年齢要件について65歳以上を60歳以上と緩和する改正が行われる予定でしたが、その法案は成立しませんでした。また親子間だけでなく、祖父母・孫間でも相続時精算課税制度が適用できるような改正も行われる予定されていますが、こちらも法案は成立しておりません。

相続時精算課税制度に関する疑問、質問はこちらのQ&A集をご覧下さい。

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それでは、相続時精算課税制度(原則)について、詳しくみていきましょう。

1適用要件(平成24年に贈与を受けた場合を想定しています)

a)適用対象者等
贈与者(資産を贈与した人)
贈与をした年の1月1日において65歳以上(昭和22年1月2日以前に生まれた人)で、かつ、贈与をした時において受贈者の親であること。
受贈者(贈与された人)
贈与を受けた年の1月1日において20歳以上(平成4年1月2日以前に生まれた人)で、かつ、贈与を受けた時において贈与者の子(直系卑属)である推定相続人であること。
(注)上記の推定相続人が亡くなっている場合には20歳以上である孫を含みます。
b)適用手続
贈与税の申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」を「贈与税の申告書第一表」「贈与税の申告書第二表」「一定の添付書類」とともに受贈者の住所地の所轄税務署長に提出しなければなりません。提出がないときは、相続時精算課税の適用を受けることができなくなり、原則的な贈与税の課税方法(暦年課税)が適用されます。
上記により、相続時精算課税選択届出書を提出した人を「相続時精算課税適用者」、その届出書に係る贈与をした人を「特定贈与者」といいます。
(注)相続時精算課税は、贈与者ごとに選択することができます。相続時精算課税選択届出書は、既に平成20年分以前の贈与税の申告において相続時精算課税の適用を受けている贈与者からの贈与の場合については、再度提出する必要はありません。その贈与者以外の人から贈与を受ける財産について、相続時精算課税の適用を受けようとする場合は、贈与税の申告期間内に、新たに届出書等を提出する必要があります。
c)計算方法
特定贈与者ごとに、1年間に贈与を受けた相続時精算課税適用財産の価額の合計額(課税価格)から相続時精算課税の特別控除額(限度額:2‚500万円)を控除した金額に20%の税率を乗じて贈与税額を計算します。
相続時精算課税の特別控除額とは、次に掲げる金額のうちいずれか低d)添付書類
相続時精算課税の適用を新たに受ける場合には、相続時精算課税選択届出書に次に掲げる書類を添付しなければなりません。
い金額をいいます。

(イ)2‚500万円(前年までにこの相続時精算課税の特別控除額を使用した場合には、2‚500万円から既に使用した額を控除した金額)

(ロ)特定贈与者ごとの贈与税の課税価格
(具体例1)平成24年中に住宅資金1‚500万円を贈与され、相続時精算課税を適用する場合
1‚500万円-1‚500万円(注1)=0円
(注1)2‚500万円>1‚500万円 ∴1‚500万円
(具体例2)平成24年中に住宅資金5‚000万円を贈与され、相続時精算課税を適用する場合(特例の適用を受けないものとします)
5‚000万円-2‚500万円(注2)=2‚500万円
2‚500万円×20%=500万円(贈与税額)
(注2)2‚500万<5‚000万円 ∴2‚500万円

d)添付書類
相続時精算課税の適用を新たに受ける場合には、相続時精算課税選択届出書に次に掲げる書類を添付しなければなりません。

(イ)受贈者の戸籍謄本又は抄本その他の書類で、氏名、生年月日、受贈者が贈与者の推定相続人である(親子である)ことを証する書類

(ロ)受贈者の戸籍の附表の写しその他の書類で、受贈者が20歳に達した時以後の住所又は居所を証する書類
(注)受贈者の平成15年1月1日以後の住所又は居所を証する書類でも差し支えありません。法律上は(ロ)が要件となっていますが、それが現実問題として難しい場合は、平成15年1月1日以後の住所又は居所を証する書類の添付で認められます。(相続税基本通達21の9-5)

(ハ)贈与者の住民票の写しその他の書類(贈与者の戸籍の附表の写しなど)で、贈与者の氏名、生年月日、贈与者が65歳に達した以後の住所又は居所を証する書類
(注)贈与者の平成15年1月1日以後の住所又は居所を証する書類でも差し支えありません。法律上は(ハ)が要件となっていますが、それが現実問題として難しい場合は、平成15年1月1日以後の住所又は居所を証する書類の添付で認められます。(相続税基本通達21の9-5)2.適用除外

(二)贈与者の相続時精算課税選択届出書の提出により相続時精算課税の適用を受ける財産に係る贈与をしたことを証する書類その他の書類で、贈与者が相続時精算課税選択届出書の提出により相続時精算課税の適用を受ける財産に係る贈与をしたことを明らかにする書類(相続時精算課税に係る財産を贈与した旨の確認書など)

2.相続があった場合の取扱い

相続があった場合には、相続時精算課税適用財産の価額(贈与時の時価)と相続又は遺贈を受けた財産の価額(相続時の時価)の合計額を基に計算した相続税額から、既に相続時精算課税適用時に支払ったその贈与税相当額を控除した金額をもって納付すべき相続税額とします。(その控除により控除しきれない金額がある場合には、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。)
相続時精算課税制度は、将来相続があった時に相続税が課税される方の場合には、必ずしも相続税の節税にはなりませんので注意して下さい。
相続時精算課税の特例(住宅取得資金特別控除)についてはこちらをご覧下さい。

 

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