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東京カンテイ『「2013年新築マンションPER」発表』


株式会社東京カンテイは、10月30日、首都圏、近畿圏、および中部圏の「2013年新築マンションPER」をそれぞれ発表した。

※マンションPERとは
分譲マンションの価格が、同じ駅勢圏の分譲マンション賃料の何年分に相当するか求めた値。マンションPER=マンション価格÷(月額賃料×12)
例えば、マンションPERが23.98であれば、その駅の新築マンション平均価格は駅勢圏賃料相場の23.98年分に相当する(=賃料換算で23.98年で回収できる)ということになる。一般にマンションPERが低ければ収益性が高く、反対に高ければ収益性は低い。

■首都圏
2013年の新築マンションPERは首都圏平均で23.98と、昨年から0.15ポイント上昇(悪化)した。平均賃料(70平米換算)が167,685円(前年比+0.1%)と僅かに上昇したのに対し、新築マンションの平均価格(70平米換算)も4,789万円(同+0.8%)と3年ぶりに上昇したことで、昨年に引き続き収益性がやや悪化した。
首都圏でマンションPERが最も低かった(収益性が高かった)駅は「川崎」の15.61であった。良好な交通・生活利便性を有し、さらに値ごろ感のある新築マンション供給で価格が昨年調査から下落(3,555万円→3,130万円)し、順位を押し上げた。
マンションPERが最も高かった(収益性が低かった)駅は「溜池山王」の37.34で、「飯田橋」「半蔵門」など都心一等地に位置する駅の中には、高級物件の新規供給によってマンションPERが著しく高くなる駅が出てきている。同様に、「経堂」「洗足池」など城南~城西エリアの人気住宅地に位置する駅でもハイグレードな新築マンションの分譲によって収益性は総じて悪くなっている。

・2013年新築マンションPER(首都圏駅別)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/77PER_shuto_eki.pdf

■近畿圏
2013年の新築マンションPERは近畿圏平均で23.94と、昨年から0.48ポイント改善した。新築マンションの平均価格(70平米換算)が3,351万円(前年比+0.3%)と小幅な上昇に留まった一方で、平均賃料(70平米換算)は119,178円(同+2.2%)と価格の上昇率を上回ったために4年連続で収益性が改善しており、首都圏(23.98)と比べても遜色ない水準まで収益性が高まってきている。
マンションPERが最も低かった(収益性が高かった)駅は「JR難波」の12.80となった。第2位の「難波」(12.98)も上位ランキングで唯一月額賃料が20万円を超えていることから、「JR難波」に匹敵する極めて良好な収益性を示している。2年連続トップの「コスモスクエア」(13.56)は第3位に後退している。
マンションPERが最も高かった(収益性が低かった)駅は「芦屋」の37.32で、全国的にも有名な人気住宅地ということもあって、新築マンション価格が5,000万円に迫る高値であったことが収益性の悪化を招いている。「芦屋川」「御影」なども同様の要因でマンションPERは総じて30ポイントを上回っている。

・2013年新築マンションPER(近畿圏駅別)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/77PER_kinki_eki.pdf

■中部圏
2013年の新築マンションPERは中部圏平均で24.20と、昨年から0.46ポイント上昇(悪化)した。平均賃料(70平米換算)が102,025円(前年比+1.4%)に上昇したが、新築マンションの平均価格(70平米換算)も2,933万円(同+3.4%)に上昇したことで2年ぶりに24ポイントを突破した。中部圏は2009年以降24ポイント前後で推移しており、収益性は他圏域と比較してやや劣るものの、安定推移している状況である。
マンションPERが最も低かった(収益性が高かった)駅は「西高蔵」の14.02で、築浅物件からの賃料事例が発生した影響により月額賃料が中部圏平均(102,025円)を8万円近く上回ったため、結果的に高収益となった。第2位以下の駅はいずれも新築マンション価格が3,000万円を下回っており、「津」「岐阜」といった名古屋市のサテライト駅、「車道」「上小田井」など名古屋駅の東側エリアに位置し価格と賃料のバランスが取れている駅がランキング上位に登場している。
マンションPERが最も高かった(収益性が低かった)駅は「市役所」の35.86で、「本山」「八事」など新築マンション価格が4,000万円前後と高めに分譲されている駅がランキングに並んでいる。また、「植田」「鳴海」などは、名古屋市近郊に位置し中心部からやや離れているために月額賃料が8~9万円台に留まっているが、新築マンション価格が3,000万円前後と中部圏平均(2,933万円)と大差ない価格水準で分譲されているため、収益性が若干見劣りする傾向を示している。


ニュースリンク先
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/77PER_shuto.pdf(首都圏)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/77PER_kinki.pdf(近畿圏)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/77PER_chubu&eki.pdf(中部圏)