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不動産経済研究所『2011年と2012年上半期のオール電化マンション普及率調査』結果発表


株式会社不動産経済研究所は、2011年1年間、及び2012年上半期(1~6月)の首都圏の新築分譲マンションにおけるオール電化物件に関して調査を行い、その結果を発表した。

【調査結果】
●2011年のオール電化住戸は4,469戸、シェア10.0%
2011年のオール電化マンションは4,469戸で、全供給戸数(4万4,499戸)に対するシェアは10.0%となっている。2010年実績は5,276戸で、全供給戸数(4万4,535戸)に占めるシェアは11.8%であったので、供給戸数は807戸、15.3%減と二ケタ減、シェアでも1.8ポイント(P)のダウンと落ち込んだ。
2011年のオール電化物件の地域別供給戸数は、都区部1,852戸(2010年2,017戸、8.2%減)、都下243戸(同161戸、50.9%増)、神奈川県1,596戸(同1,929戸、17.3%減)、埼玉県672戸(同704戸、4.5%減)、千葉県106戸(同465戸、77.2%減)と、都下が唯一増加したものの、その他のエリアはいずれも減少している。
全供給戸数に占めるシェア(普及率)を地域別に見ると、都区部9.5%(前年比0.4Pダウン)、都下5.7%(同1.0Pアップ)、神奈川県13.9%(同5.0Pダウン)、埼玉県11.4%(同1.2Pダウン)、千葉県3.1%(同6.4Pダウン)と、アップしたのは都下のみであった。

●2012年上半期は2,252戸で前年同期比17.5%増、シェアも0.4Pアップの10.9%と回復
2012年上半期のオール電化マンションの供給は2,252戸で、全供給2万746戸に占めるシェアは10.9%であった。2011年上半期は1,917戸、シェア10.5%(全供給1万8,198戸)であったことから、戸数は17.5%増と伸ばし、シェアも0.4Pアップの10.9%と僅かながら上昇している。
また、初月契約率も80.2%と前年同期(79.7%)比0.5Pアップとなり、上期としては2年ぶりに80%を突破(2010年上期84.8%)、こちらも回復の兆しを見せている。
エリア別の供給を見ると、都区部934戸(前年同期728戸、28.3%増)、都下227戸(同129戸、76.0%増)、神奈川県878戸(同763戸、15.1%増)、埼玉県83戸(同297戸、72.1%減)、千葉県130戸(同0戸)と、埼玉県が落ち込んだものの、その他のエリアはいずれも増加している。
地域別のシェアは都区部10.6%(前年同期比1.8Pアップ)、都下8.3%(同0.2Pアップ)、神奈川県17.2%(同1.6Pアップ)、埼玉県3.4%(同10.4Pダウン)、千葉県7.8%と、埼玉県以外のエリアがアップしている。

●電気式床暖房のシェアは2011年に69.8%にまで急上昇。2012年上期も6割が採用
オール電化マンションのうち、電気式床暖房を設置している住戸は、2005年の8,276戸、シェア69.5%をピークに、2006年6,209戸、53.4%、2007年3,761戸、33.6%、2008年3,157戸、37.1%、2009年1,352戸、30.4%と推移。2008年にシェアが上昇したものの、コストダウンの一環で設備面の簡素化が進んだ結果、設備機器としては金額面で最高級レベルである電気式床暖房のシェアは低下傾向が続き、ついに3割にまで落ち込んだ。しかし2010年は一転、オール電化マンション5,276戸のうち、2,703戸、51.2%と過半数の住戸が床暖房を設置。2011年は3,118戸と3年ぶりに3,000戸を突破、シェアも69.8%と、オール電化マンションのほぼ7割が床暖房を採用することとなった。
2012年上期は1,337戸、シェア59.4%と前年同期(1,401戸、73.1%)と比べて再び低下したものの、引き続き6割が床暖房を採用している。首都圏マンションの供給が大手主導、東京都区部の一極集中が鮮明となり、高価格帯の物件で再び設備面のハイグレード化を進める中で、電気式床暖房設置住戸のシェアが上昇に転じ、採用率の高い状況が続いている。2012年年間でも全オール電化マンションの6割前後が床暖房設置住戸となる見込みである。
今後のオール電化マンションに関しては、福島第一原発事故の影響による電気料金の上昇が実施され、その終結地点が見えないこともあって、中堅デベロッパーを中心に採用を見合わせる状況が続くことが予想される。しかし、その一方で太陽光発電などによる次世代『省エネ・創エネマンション』への採用の増加も見込まれる。また、高齢化社会におけるオール電化マンションの安全性・利便性への信頼感への高まりが大きいこともあり、オール電化マンションの供給の落ち込みは限定的と言えそうだ。

●2012年上半期の主なオール電化マンション
(1)ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス・・・中央区、三菱地所レジデンス・鹿島建設、総883戸
(2)THE SANMAISON 目黒柿の木坂ELDO・・・目黒区、三洋ホームズ、総15戸
(3)プラウド府中天神町・・・府中市、NREG 東芝不動産・野村不動産、総219戸
(4)ラグゼコート・・・川崎市幸区、東レ建設・大東通商・相鉄不動産・第一交通産業、総312戸
(5)パークホームズ上大岡グラステラス・・・横浜市港南区、三井不動産レジデンシャル、総122戸


ニュースリンク先
http://www.fudousankeizai.co.jp/Icm_Web/dtPDF/kisha/121011jyutaku.pdf