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住友林業『陸前高田市「希望の松」後継樹育成の経過を発表』


住友林業株式会社と住友林業緑化株式会社は、岩手県陸前高田市の高田松原で東日本大震災の津波に耐え一本だけ残った“希望の松“の保護を目的としたプロジェクトチームに2011年4月より参加し、希望の松の後継樹育成に携わっている。

昨年12月の進捗報告に続き、接ぎ木苗及び松ぼっくりから採取した種子から育てている実生苗の現在の生育状況について、このたび経過を発表した。

■苗木の種類と生育状況
(1)2011年春採取 接ぎ木
一本松から採取した枝から育成している3本の接ぎ木苗は、現在までのところ苗畑で順調に生長しており、苗高は約80cm程度になっている。現在の生長の状況を鑑みると、今年の秋から冬にかけて次の接ぎ木増殖につながる接ぎ穂の採取が可能となる見込み。
(2)2011年春採取 種子
2011年4月に採取した松ぼっくりから発芽した18本の実生苗のうち3本が生長し、徐々に外部環境に慣らすために、人工気象室から室内に移動させ、育成するとともに、マツなどの樹木と共生する菌根菌(きんこんきん)を接種する試みも進め、注意深く育成条件を検討していた。
しかし、これら3本の実生苗については、その後、根の生長が急に止まり、その数週間後には芽の生長も止まってしまい、残念ながらこのたび枯死と判断せざるを得ない状況に至った。枯死の原因としては、未解明な部分も多々あるが、播種の時期が少なからず影響を及ぼしていると考えられる。
(3)2012年秋採取 種子
希望の松の伐採が実施された2012年秋に採取した松ぼっくり約1,000個から採集した種子約75個については、冷蔵庫内で低温保存したのち今年4月頃から順次播種を行った。現在までに約70個の種子を播種し、そのうち9本が発芽し3cmほどに生長している。
しかしながら、これらの種子は震災前の種子であることも想定され、長期間に渡り樹上で潮風にさらされてきたことから、2011年春に採取した種子と比較しても状態の悪い種子が多く含まれていることは否めない。厳しい状況であることを踏まえつつ、2011年の知見を活かせる様、今後一層慎重を期し育成に取り組んでいく。

■今後の方針
住友林業は、引き続き陸前高田市や関係者に相談、報告を行いながら、預かっている苗の育成に慎重に取り組み、将来的には陸前高田市に戻すことを目標にしている。また、筑波研究所において震災前から取り組んでいる針葉樹の組織培養による増殖技術の開発については、継続して取り組み、希望の松の増殖にも応用していきたいと考えている。


ニュースリンク先
http://sfc.jp/information/news/2013/2013-06-18.html