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ニッセイ基礎研究所『「不動産投資レポート2013年10月」を発表』


株式会社ニッセイ基礎研究所は、10月31日、「不動産投資レポート2013年10月」を発表した。

■経済動向と住宅市場
米国景気の回復の遅れや中国経済の減速といった外部要因の懸念はあるものの、国内景気については、7月の参院選での自民党圧勝や9月の東京オリンピック招致の成功などから、センチメントの改善が続いている。
住宅市場については、総じて各数値が前年を大幅に上回っている。金利や建築コストの上昇懸念に加え、消費税率引き上げを前に駆け込みの住宅需要が加わったとみられる。8月の新設住宅着工戸数は、8万4,343戸(年率換算96万戸、前年比+8.9%)と12ヶ月連続の増加となった。9月の首都圏の分譲マンション新規販売戸数も5,968戸(前年比+77.3%)と大幅に増加した。また、東日本不動産流通機構(レインズ)がまとめた8月の首都圏中古マンションの取引成約件数は前年比+16%と12ヶ月連続で増加、平均価格は2,556万円(前年比+3.5%)となった。また、首都圏の東証住宅価格指数も、昨年末に底を打った後に一旦弱含んだものの、5月以降は上昇基調にある。

■地価動向
地価動向については、都市部での回復傾向が顕著に表れてきた。国土交通省の発表した7月1日時点の基準地価は、3大都市圏(全用途)が前年比+0.1%と2008年以来5年ぶりに上昇した。住宅地が▲0.1%となったものの、商業地は+0.6%となった。一方、地方圏は▲2.6%と下落が継続したため、全国平均では依然として▲1.9%と22年連続の下落となった。


■不動産サブセクターの動向(賃貸マンション)
賃貸マンション市場では、中古マンション価格と同様に賃料も回復局面に入ったとみられる。東京都区部の中古マンション賃料指数は、5月以降、ワンルーム、DINKS、ファミリーの全てのタイプで上昇が続いている。最近の都心5区の賃貸マンション募集賃料を区別にみても、昨年水準を切り上げた新宿区での調整を除けば、おおむね堅調な推移となっている。また、高級賃貸マンション市場も、2011年までの大量供給以降、需給改善に時間を要していたが、3四半期ぶりの賃料上昇が底打ちを確認するものとみられる。

■J -REIT(不動産投信)・不動産投資市場
東証REIT指数は、8月末に1,300ptを下回るなど軟調に推移していたが、9月7日の2020年東京オリンピック開催決定を機に大きく反転し、結局、6月末比8.1%上昇した。セクター別ではオフィスが9.3%、住宅が7.9%、商業・物流等が6.1%上昇した。また、年初からの上昇率は35.5%となっている。第3四半期のJ-REITによる物件取得額は108物件・2,498億円、年初からの累計額は1.6兆円を超えている。10月以降も既に2件の新規上場と5件の公募増資が発表されており、今年1年間の取得額は約2兆円に達し、4年連続で前年比プラスとなる見通しである。また、市場全体の不動産評価額の騰落率(前期比、6ケ月平均)は、鑑定利回りの低下を受けてプラス圏に浮上し、今後は上昇トレンドが定着するものと考えられる。


詳細リンク先
http://www.nli-research.co.jp/report/real_estate_report/2013/fudo131031.pdf