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富士経済『エネルギーマネジメントシステムの国内市場を調査』


株式会社富士経済は、今年4月~6月にかけて大震災後エネルギー政策の積極化で注目されているエネルギーマネジメントシステム(EMS)市場を調査した。

2011年の大震災後、電力需給の逼迫により節電対策の必要性が叫ばれ、エネルギーマネジメントへの注目度は一気に高まり、EMS市場も一時的に膨らんだ。しかし2012年は例年にない猛暑を大規模な電力不足対策もなく回避した。特に産業分野では、前年の節電対策や既存設備の運用改善努力によって、新たな機器・システムを導入せず一定の効果を達成した。そのため市場は落ちついた。

現在再生可能エネルギーが大量に導入され、特にFIT(再生可能エネルギー全量買い取り制度)の実施により太陽光発電市場が急速に拡大し、今後風力発電や地熱発電も有望視されている。しかし、この天候や自然に左右され不安定な再生可能エネルギーの普及に伴い変動を吸収するHEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building and Energy Management System)などのEMSが必須となる。

2014年度に電気事業法が改正されて2016年を目途に電力小売全面自由化と発送電分離が実行されれば、デマンドレスポンスアグリゲータ(エネルギー需要とりまとめ)事業は従来の発電事業に並ぶ重要な位置を占める。事業の成立には仕組みづくりと制度改革が必要で、現在経済産業省が主体となって様々なデマンドレスポンスアグリゲータ―導入補助策を打ち出している。まず、2012年度からHEMS・BEMS導入支援事業が、2013年度からはスマートマンションを対象にしたエネルギー供給事業に対する補助がスタートしてMEMSの導入が促進される。

国の実証事業に加え、電力会社、PPS(特定規模電気事業者)、ガス会社、マンションデベロッパー、ファシリティー会社などで、デマンドレスポンスやネガワット取引の実証的な試みが積極的に行われている。2020年以降、電力システム改革が進みデマンドレスポンスサービス(需要家側の電力消費調整)を基盤とする新エネルギーマネジメントシステムが本格的に立ち上がると想定する。

【注目市場】
●パワーコンディショナ(10kW未満/10kW以上)
太陽光発電用の機器で、2012年7月から開始された再生可能エネルギー全量買い取り制度(FIT)の実施によって特に10kW以上業務用・産業用・メガソーラー用が大きく拡大している。安定稼働させる技術により、10kW未満の機器を複数台連結して低コストで大容量発電システムに対応するケースも出ている。また、系統からの電力供給停止に備えて、自立運転への切り替えや非常蓄電機能を備えた製品も開発されている。

●HEMS
HEMS(Home Energy Management System)は、家庭のエネルギー使用状況を可視化・管理し、エネルギー使用量の削減を行うシステムである。2012年度より経産省主導によるHEMS・BEMS導入補助事業が実施され市場は拡大している。参入企業も急速に増加し、補助金対象メーカーは多岐に亘っている。システムも分電盤やスマート電源タップからの電力使用データを可視化するタイプだけでなく、太陽光発電量の可視化と組み合わせたもの、V2H送電量の可視化した製品も登場している。

●家庭向け省エネサービス(有料)
家庭向け省エネサービスは、HEMSを利用した従来の消費エネルギー可視化サービスを上回る各種サービスが登場している。政府が普及を想定した支援策を打ち出しているが、今のところデマンドレスポンスシステムはサービスビジネスとして成り立つに至っていない。現状では、HEMSを利用したサービスは太陽光発電も含めた可視化が中心となっている。サービス料金のみでの市場規模は小さいが、HEMSの普及に伴って市場は拡大して行く。さらなる普及には、新サービスの登場が必須で各社が検討を重ねている。広告ビジネスと絡める形も試みられている。


ニュースリンク先
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/130729_13057.pdf