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矢野経済研究所『住まいと生活支援サービスに関する調査を実施』


株式会社矢野経済研究所は、国内の住まいと生活支援サービスに関する市場調査を実施し、その結果を発表した。

【調査概要】
●調査期間:2013年3月~4月
●調査対象:生活支援サービス関連事業者
●調査方法:矢野経済研究所専門研究員による直接面談、消費者アンケート調査、ならびに文献調査併用

【調査結果】
●ホームセキュリティ
2011年度のホームセキュリティ市場規模は、事業者売上高ベースで819億円となった。警察庁によると2000年代半ば以降、犯罪件数は減少傾向にあるものの、“安全を買う”という生活者の自衛意識の高まりとそれに応える事業者側のサービス拡充もあって、市場は拡大してきた。2012年度の同市場を、862億円(前年度比105.3%)と見込む。
今後も、消費税増税前の需要増を見込んで住宅建設が増えていることから一定の割合でホームセキュリティの需要も発生するとみて、契約件数は前年度をやや上回り推移するものと考える。

●見守りサービス
見守りサービスは、高齢者の在宅状況、安否確認をはじめとして2000年前後から普及し始めた。当初はセンサーなどの機器を用いて高齢者の在宅状況などを遠隔操作で確認するものであった。昨今ではホームセキュリティの一環として、高齢者のみならず、子供やペット、家財道具などにまで対象範囲を広げたサービスが提供される。
また、通信ネットワークを利用したサービスであるため、警備会社のみならず、それらの機器メーカーや通信事業者からの参入もある。高齢化の進展や単身者世帯の増加を受けて市場は拡大傾向にあり、2011年度の見守りサービス市場規模を利用者の金額ベースで143億3,400万円と推計し、2012年度は168億円(前年度比117.2%)と見込む。

●家事代行サービス
家事をアウトソーシングするという文化は、あまり日本人には馴染まないものであったが、近年、共働き世帯の増加や団塊世代の高齢化が進んだことで、有意義な休息時間を得るための一つの方法としての家事代行サービスの認知度が向上している。ただし、未だ生活者の多くがお金を支払って利用する存在ではなく、現状ではコア利用者(定期的な利用者)への浸透が進んでいる段階である。
2011年度の家事代行サービス市場規模は利用者の金額ベースで811億2,200万円となり、2012年度は980億円(前年度比120.8%)と見込む。
参入事業者による販路の拡充が進んでおり、ギフト商品としての販売などいろいろな場面で家事代行という言葉が目に付くようになってきている。サービス提供を初めて検討する場合はスポット利用から検討することが多いが、スポット利用者層がコアな定期利用者層となっていくことが市場の成長には欠かせないと考える。

●家具・家電レンタル
生活者が、家具・家電レンタルサービスの利用を検討する入り口としてもっとも効果的なのは、賃貸仲介事業者による斡旋である。なぜなら、単身者にとって、レンタルで生活に必要な用具一式を揃えられ、すぐに新生活を始められるのは魅力的だからである。また、ライフスタイルの多様化により、画一的な生活を望む人は減りつつあり、家具・家電付賃貸物件ではなく、自分のライフスタイルにあった家具・家電レンタルサービスを望む生活者が増えている。
賃貸住宅市場における家賃下落の流れは続いており、家賃からの手数料で回収できない分を付加価値提案で補おうとする賃貸仲介事業者と利便性を求める生活者の両面から、家具・家電レンタルサービスは受け入れられつつある。2011年度の家具・家電レンタルサービス市場規模は、利用者の金額ベースで459億5,700万円、2012年度は535億円(前年度比116.4%)と見込む。

●ハウスクリーニング
専門性の高いハウスクリーニング(専門清掃)のサービス利用に関しては、その潜在需要が高く、利用頻度は異なるものの定期的に利用されるケースが多いことが特徴の一つである。しかし、多くの生活者にとっては、ハウスクリーニングという言葉の認知度は高いが、必ずしも利用する必要のない存在である。今後は、プロの清掃サービスの良さを、利用経験の無い生活者に対してどのように伝えていくかが課題となる。
2011年度のハウスクリーニング市場規模は、利用者の金額ベースで1,296億8,500万円と推計した。2012年度の同市場を1,408億円(前年度比108.6%)と見込む。


ニュースリンク先
http://www.yano.co.jp/press/pdf/1102.pdf