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旭化成ホームズ『「暮らしの“場”を重ねる二世帯同居とエネルギー消費の関係」』調査結果発表


旭化成ホームズ株式会社は、親子同居での暮らし方が、生活エネルギー消費量にどのように影響しているかの調査研究を行い、その成果をまとめた調査報告書「暮らしの『場』を重ねる二世帯同居とエネルギー消費の関係」を作成した。

今回の調査報告書では、両世帯の生活分離度(住宅の形態)や生活パターン(暮らし方)とエネルギー消費の関係について実態を調査してまとめている。その結果、それぞれ単世帯で別居する家族に比べて、暮らしを完全に分離した二世帯住宅では生活エネルギー消費量が約2割少なく、より暮らしの「場」を共用するような二世帯住宅では3割程度少なくなることがわかった。

また、その違いを詳細に調査した結果、今回の調査項目では「夕食の場」を家族が共にすることが、エネルギー消費量に最も大きく影響を及ぼす要因であることや、同居家族のライフステージに応じて暮らしの「場」の重なり方が変化し、エネルギー消費量も変化することなどがわかった。

【調査概要】
●調査目的:二世帯同居家族の生活分離度・生活パターンとエネルギー消費の関係を、両世帯の暮らし方(「場」の重なり方)に着目して調査し、その特長を明らかにすること。
●調査対象:ヘーベルハウス居住者で二世帯同居家族(親と子夫婦同居の家族)
(関東圏・中部圏・関西圏)693件 ※築1~11年
●調査時期:2012年1月~2月(第1回)、2012年9月~10月(第2回)
●調査方法:Web調査と郵送調査を併用

【調査結果概要】
●二世帯同居家族と単世帯別居家族のエネルギー消費量比較
6人家族が一緒に二世帯住宅に暮らす場合と、2人家族(親世帯)と4人家族(子世帯)が別々に2軒の住宅に暮らす場合のエネルギー消費量を比較すると、二世帯住宅で2~3割少ないことがわかった。

●二世帯同居における暮らしの「場」の重なりの実態
二世帯同居の暮らしを玄関・キッチン・浴室の数をパターン別に分類し、その暮らし方の実態を調査した。その結果、玄関・キッチン・浴室の数が増えるほど、世帯別の場所で暮らす傾向が見られた。しかし一方では、玄関を共有している二世帯住宅では、メインキッチンが2つあっても、家族全員が同じ場所で夕食を食べたり、家族の一部が世帯混合で食べる割合が約2~3割存在することも明らかになった。

●二世帯同居家族の暮らしとエネルギー消費の関係
(1)建物形態とエネルギー消費量の関係
二世帯同居家族の建物形態と、エネルギー消費量の関係について調査したところ、エネルギー消費量は、玄関・キッチン・浴室の数と関係があることがわかった。具体的には、浴室が2つから1つになることで8.3%少なくなり、キッチンが2つから1つになることでは13.0%小さくなることがわかった。
(2)暮らしの「場」の重なりとエネルギー消費の関係
実際に両世帯がどのように暮らしているのか、「夕食・入浴の場の重なり」とエネルギー消費量の関係についても調査した。その結果、平日に家族が同じ場所で食事をする家族はエネルギー消費量が21.2%少ないことがわかった。これは、食事行為そのものに付随する設備・家電の使用にとどまらず、食事後にLDで共にくつろぐなど、その後を含めた「場」の重なりが増えるためと考えられる。
(3)二世帯同居家族のエネルギー消費量に影響を及ぼす要因
二世帯同居におけるエネルギー削減の要因として、建物形態とくらしの「場」の重なり以外の要因も含めて影響の度合いを分析した。その結果、今回検証した項目の中では、両世帯の夕食の「場」の重なりが最も大きく影響していることがわかった。

●二世帯同居家族の「場」の重なりとライフステージ変化
二世帯同居家族の暮らしは、両世帯の交流頻度や暮らし方がライフステージによって大きく変化していくもの。具体的には、子世帯の子が幼少のころは子育てサポートなど親世帯LDKを中心に暮らしの重なりが見られ、その年齢が上がるにつれ暮らしの場は各世帯に分散し、親世帯が高齢になったり片親になったりすれば再び両世帯が夕食を一緒に食べる、などのケースが想定される。そのため、二世帯同居の住まいは、ライフステージに合わせていつでも自然に暮らしの「場」を重ね、家族を繋ぐことができる必要があると言える。


ニュースリンク先
http://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20130124/index/