Home > 住まいのニュース > 東京大学大学院『「中高年者の生活実態に関する継続調査」実施』

東京大学大学院『「中高年者の生活実態に関する継続調査」実施』


東京大学大学院人文社会系研究科の白波瀬佐和子教授らは、2012年に「中高年者の生活実態に関する継続調査」を実施し、その結果の取りまとめを2013年9月5日に発表した。

本調査の対象者は、2010年に実施した「中高年者の生活実態に関する全国調査」(50~84歳の男女9,600人を対象)の回答者6,442人のうち、継続的な調査を承諾した3,516人で、そのうち3,193人から回答を得た(回収率90.8%)。調査は郵送によるアンケートの配布と調査員による回収により行った。

【調査結果(一部抜粋)】
●調査時点(2012年)で仕事に就いていたのは、回答者の半数弱の47.9%(1,520人)であった。正規職に就いていたのは男性42.8%で、そのうち自営業(家族従業者含む)は3分の1弱であった。一方、女性の就労者は過半数が非正規職に就いており、正規職の割合は2割であった。「いつごろまでいまの仕事を続けたいか」という質問に対して、「健康である限り」現在の仕事を続けたいとする65歳以上の高齢層者は8割以上に上った。

●生活時間の中で最も男女差が大きい家事時間(育児、介護を含む)を検討したところ、中年女性の平均家事時間は約4時間と中年男性の35分に比べて極めて長かった。女性の長い家事時間は65歳以上の高齢期層に入っても継続していた。男性は、高齢前期層54分、高齢後期層約1時間、と年齢層が高くなるにつれて平均家事時間が長くなる傾向にあるものの、女性の長い家事時間には及ばなかった。家族類型を考慮した場合、高齢後期層女性の夫婦のみ、世帯における長い家事時間が目立った。ここでの家事時間は介護・育児を含むので、高齢の夫を高齢の妻が介護している状況がうかがえた。

●資産の所有について、預貯金、株式等の金融資産や土地、不動産等をいずれも持っていないと回答した者は回答者の16.7%で、中高年層の多くは何らかの資産を持っていた。そのうち、この1年間の資産の変化を質問した結果、預貯金、金融資産ともに多くの資産を持つ者ほど「100万円以上の減少があった」と訴えていた。特に、高齢前期層の間で資産が100万円以上減少と回答した者が多かった。

●2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故以降、社会に対する見方や考え方、家族や友人、自然や科学に対する見方に変化があったかを尋ねたところ、回答者の56%が「変化があった」と回答した。変化があったと回答した者に、具体的な内容について自由回答形式で尋ねたところ、回答は、原発への強い不信、原発の安全神話を疑いなく真に受けていたわが身への自戒の念、自然に対する脅威、もしもの時の準備や日頃からの心構えの大切さ、そして、政府への強い不信感であった。また、家族や友達など、絆や助け合いの大切さを実感したとする声も多くあった。想定外の大惨事を前に、一日、一日を大切にし、日々の感謝を忘れないこと、いままで当然と思っていたことが実はそうではないこと、普通の生活が送れることへの感謝の念といった回答もみられた。


ニュースリンク先
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_250905_j.html