贈与税の住宅取得資金贈与1000万円非課税のデメリット
平成21年に急遽できた住宅資金贈与の非課税500万円は、平成22年は1,500万円、平成23年に1,000万円に非課税枠が拡大されました。24年の税制改正で住宅取得資金贈与の非課税特例が3年間延長され、制度が若干変更となりました。住宅の購入や増改築の資金を父母や祖父母など直系尊属から贈与を受け、その贈与を受けた資金で購入した住宅に一定の日までに住み始めた場合には、贈与を受けた金額のうち1,000万円まで非課税にしますという特例です。省エネルギー性・耐震性に優れた建物については非課税枠が1500万円に増えます。
贈与税の非課税ということは、贈与税の課税の対象から外すということです。
住宅資金贈与でよく使われる相続時精算課税制度ですが、こちらは、贈与時には、2,500万円まで一旦贈与税を課税しませんという制度です。そして、相続があった時に、相続時精算課税制度を利用して受けていた贈与財産を相続財産に加算して、相続税の計算を行います。
相続時の財産状況によって相続税が課税される可能性があります。
一方の住宅資金贈与の非課税1,000万円については、そのような持ち戻し計算はありません。
つまり、贈与をするデメリットが税金面からみるとない制度となります。
このように私の事務所に相談にいらっしゃるお客様に説明をしていたら、あるお客様から唯一のデメリットは非課税となる金額が1000万円では少ないことですねと言われてしまいました。
確かに住宅を購入する際の援助資金は1000万円を超える大型の贈与のケースもありますので、全部非課税となったら本当にデメリットがない制度となりますね。